FXという投資の手段には一定のリスクがともないますが、そのなかでもふだんはあまり意識しなくても、場合によっては大きなリスクにつながるのが、世界各国の中央銀行による政策金利の変更です。たとえば、FXで利益を上げるためには、積極的な売買によって為替差益を得るということのほかにも、高金利の通貨を買い持ちしてスワップポイントを受け取るというものがあります。このスワップポイントは、高金利の通貨ほど高く設定されることになりますが、その通貨の発行国の中央銀行が政策金利を引き下げてしまった場合には、それまでほどにはスワップポイントが得られなくなってしまうということになります。これはスワップポイントを目当てにしてFXをしている人にとっては大きな打撃となってきますので、戦略の見直しを迫られてしまう可能性があります。
また、金利が低い通貨というのは、取引においてそれほど魅力的ではなくなってくるため、世界中でその通貨を買い持ちしていた人たちが、一転して大量に売却をはじめる可能性もあります。そうなると通貨の価値は暴落して、差金決済のほうでも損失をこうむってしまうことにもなりかねません。各国の政策金利の見直しというのは、だいたい数か月ごとに行われているもので、政策金利が発表される瞬間にも、その通貨の価格が一時的に暴騰や暴落を繰り広げることもあります。逆にいえば、このような瞬間をチャンスととらえて、差金決済で利益を上げる人もいます。